●私の作った教材(テ形と活用語尾表)
1,2年生の会話授業で私がどこの大学でも力をいれて学生に教え込んでいることが二つある。
ひとつは「動詞のテ形」であり、もうひとつは「イ・ナ形容詞文、名詞文、動詞文の活用語尾」である。このふたつは会話授業の前に、中国人教師による「精読授業」の文法で既に教えていることであるが、会話授業で間違いなくすらすらと口に衝いてでるように訓練しなければならない。
「雪山賛歌」の歌唱をhttp://www.youtube.com/watch?v=3p5Hwjofedgより引用して紹介します。
●私の作った教材(擬音語と擬態語)
●大学の上海市内慰安旅行
●上海市内食べ歩き
●豫園(よえん)といえば中国各地から上海へ来た観光客が必ず立ち寄る名所。そしてそこの小籠包はとても有名。私が中国へ来て一年目に家内と行った豫園の南翔饅頭店で小籠包を食べたが、
ーーこの世にこんなおいしい食べ物があるのか!
と感動した。以来私は最初の赴任地西安市の二年間、夕食としてよく小籠包を食べた。しかし、二番目の赴任地無錫市の小籠包はお菓子のようにとても甘くて、食事の代わりにはならなかった。その後、南昌市では屋台の小籠包を食べた程度だったが、四番目の赴任地ここ上海ではわずかに一年間住んだだけだったが、市内の各種小籠包の食べ歩きを楽しんだ。
豫園の南翔饅頭店の小籠包はとても評判で、一階の売り場にはテイクアウトの客が安く買えるので行列を作っている。ある日曜日に行列の中の日本人客に「どのくらい待ちましたか」と聞いたら、1時間というので驚いた。「鼎泰豊」という台湾系のおいしい小籠包の店もあるが、豫園の店は一蒸籠(8-10個)30-40元(約400-500円)と、とても高いのが欠点である。しかし、美しい楼閣の夜景を眺めながら食べる小籠包の味は格別である。
大型小籠包には中央にストローがあり、吸うと火傷をしそうな熱いスープがたっぷり入っている。皮とスープを食べると中においしい味付けの餡(肉料理)が顔をだす。店によっては白磁を思わせる肌理の大型小籠包もある。カラフルな小籠包は皮の部分に独特な色がでる野菜が混ぜ込んであるのだろう。
結局わたしがもっともよく行った店は「佳家湯包(ジアジア・タンバオ)」という店だった。この店の小籠包は味が豫園のものと劣らないのに、値段が1/4と安い。なお、中国語では湯(タン)はスープを意味するので、湯包とはスープを閉じこめた包みという意味である。そう言えば、西安編に登場する琵琶奏者の劉トンさんは、中学校から音楽大学卒業まで10年間も西安に住んでおり、西安にとても誇りを持っている人である。彼女は胸を張って言ったものだ。
「上海では小籠包というのですか。い~え、ここ西安では湯包と言うのです!」
なお、中国では地方によって味が微妙に異なる。西安の湯包はやや塩味なのに対して、上海など江南料理の小籠包はやや甘味加減なのだ。
●小籠包に似た「生煎」(シェンジェン)という食べ物もある。中にスープが入っているが、丸い皮の底をこんがりと焼いているので、むしろ焼き餃子に似ているといえるだろう。我が家内は関空から2時間半で来られる上海がとても気に入ったようで、たった一年の私の赴任中に4回も上海に来た。そのうちの一回はテニス友達として親しくおつきあいをしている三人の奥さんと一緒だった。最初の夜にホテルの近くの庶民的な「生煎」の店に案内したら、美食家の奥さん連は「なに? こんなもん」と評判が悪かったらしい。
しかし翌日、福州路の上海蟹の有名店にご案内してフルコースを振る舞ったら、すこぶるご機嫌がよかった。ちなみに、福州路はかつて、ディック・ミネの「夜霧のブルース」に出てくる「四馬路(すまろ)」といって、夜の歓楽街であった。が、今は中国一の有名書店が立ち並ぶ上品な通りに変身している。
●懐かしい日本食品
●国際都市上海には日本人が約5万人住んでいる。だから、日本食ならなんでもある。「吉野屋の牛丼」はもちろん、「東京の江戸前寿司」「回転寿司」「上島コーヒー」「たこ焼き」「おでん」まであった。しかし、「どら焼き」まであったのには驚いた。「銅鑼焼」は簡体字で上のように書く。
●上海蟹と羊の串焼き
上海蟹は冬の味覚だが、足が細くて日本のズワイ蟹や毛蟹のような足の身を食べることができない。一匹15元(約200円)でスーパーで買い塩茹で、甲羅の裏側を食べる。しかし、レストランで注文すると一匹100元もする高価なものである。
どこの街でも、回族やウイグル族が羊の串焼きを売っている。元サラリーマンだった私は、焼き鶏を思い出しながらビールの肴にしていた。なお、日本人は羊肉といえば独特な臭いがすると考えているようだが、中国の羊肉はそんな悪臭がなく、牛肉以上に上等だと考えられている。
ただし、貧しい露天商が焼いている串焼きには、犬猫やネズミの肉が混じっているかもしれないと、疑っている中国人もいる。私は中国でイヌの肉(徐州では祭りに欠かせないし、南昌では冬の味覚である)を食べたことがあるし、一度「蛇」の肉も食べてみたいと思っているほどなので、あまり気にしないことにしている。なお、上のウイグル人の串焼き屋はまっとうな羊肉を使っているし、西域人特有の顔つきをしているのでよく分かる。
●日本人女性の手弱女ぶり
上海の「水城地区」には日本の商社員とその家族がたくさん住んでおり、日本食品を扱っているデパートや食料品店などがたくさんある。あるとき、上海にきた師範大の学生と一緒に水城の江戸前寿司店にいった。が、お目当ての寿司店の場所がわからなくて、街角で幼児を抱いている日本人女性らしき人に訊ねた。彼女は、日本語のたおやかな口調で懇切丁寧に教えてくれた。その話ぶりを聞いていた学生が、
「日本人女性って、なんて優しい声で話してくれるのでしょう!」
と感動した。わたしは、日頃中国人の女性店員が客に対して、横柄な態度で話しているのに慣れているので、久しぶりに聞く日本女性の話しぶりには心和む思いがしたものだ。江戸前寿司も中々なもので、この日ばかりは日本にいるような気分になれた。
中国人と対比されるこの日本女性の美徳はなぜ生まれたのだろうか?
●懐かしい江西師範大学からの訪問者
●上海にはスピーチコンテスト華東地区大会、翻訳士検定試験、さらには就職と江西師範大学の教え子が来ることがよくある。本文「上海の孤独」で紹介したように、大学での生活には悩むことが多かったが、知人、教え子の訪問は私の生活に潤いを与えてくれた。
そうそう、無錫の章で紹介した夏さんがフィアンセを連れて我がアパートを訪問したのもこの頃であった。