一年目が終わろうとしている6月に、元会社の仲間6人が西安市を訪問することになった。中国で日本語教師をしている私を激励がてら、西安市の観光をしようというのだ。
私は訪問団の受け入れ準備を進めた。
張春梅には西安観光のガイド役、王班長には、旅行団の大学訪問の受け入れ準備役、音大の劉彤には琵琶演奏をしてもらうことにした。
友人の西安滞在の2日間には、市内のレストランで、旅行団と学生との交流食事会もすることに決まった。
2日目には張のガイドで、秦始皇帝の『兵馬俑坑』と玄宗皇帝と楊貴妃のラブロマンスで有名な『華清池』などへ行き、夜にはカラオケ館で劉の琵琶演奏会も開いた。劉の古典楽器の優美な演奏は、彼女の妖艶な姿と共に旅行団の皆を満足させたことだろう。
元会社の友人の西安訪問
劉トンさんの案内で大雁塔へ
昼食は「小六湯包」という店で。
湯包(タンバオ)は上海や日本では小籠包と呼ばれる。
一蒸籠5、6元(約70円)と安くて美味しい。
薄い皮を破らないよう箸でつまんで口に運ぶ。噛むとおいしいスープが口内に広がる。餡は肉・野菜などで、これらと一緒に食べると天に昇るような幸せな気分になれる。中華料理の絶品だ。
(左)長安城壁の上を観覧車で一周した。(右)巨大な建造物に圧倒されて城壁を下りる。
「出席者を森野君の好みで選んではいけないよ」との助言に従って、くじ引きで選んだ。PhotoShopで円卓を一列に並べかえて表示。学生は日本語学習歴がまだ一年なのに、旅行団と楽しく歓談ができるまでに成長していた。優秀な学生への我が行き届いた教育成果を確認できて私は満足した。
「兵馬俑」は、1974年に農民が井戸を掘ろうとして土を掘っていた際に偶然発見された。秦の始皇帝の陵墓を守るために幾筋もの地下壕に整然と並ぶ兵馬の像。時を経るうち上の土砂が崩れ落ち、兵馬俑が土に埋まった。
二千二百年前(日本では弥生時代)にかくも精巧なリアリズム作品を造った当時の工人の偉大さには驚かざるを得ない。
観光地へは張春さんのガイド。そして、夕食後はカラオケ館で劉トンさんの琵琶演奏を楽しむ。
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